不育症の原因 抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体症候群とは、体内に広く分布するリン脂質に対して抗体が生じてしまった症例を言います。
流産を引き起こす原因
抗リン脂質抗体症候群には次のような症状があります。
- 血管の中を流れる血液成分である血小板の細胞の表面に血栓を形成する
- 臓器単位でリン脂質と抗体が反応して臓器不全が起きる
胎児の発育は非常に速いものです。どんどん発育する胎児を支えるには、母体からの豊富な栄養とそれを運ぶ血液の流れが必要です。
しかし、抗リン脂質抗体症候群の母体は、その血液の供給がスムーズにできないのです。
実際に、母体の抗リン脂質抗体症候群によって流産した胎児と胎盤を詳しく調べると、胎盤の組織に広範囲な血栓が観察されるケースが多いです。
これは胎児への十分な血液を供給出来なかったことの現れです。
以上のことから、抗リン脂質抗体症候群は流産を引き起こす原因となるのです。
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