不育症の検査、治療 抗リン脂質抗体症候群
問診
不育症の問診では、まず自己免疫疾患と思われる病気の有無、血栓症の既往症などについて尋ねます。続いて、自然流産の時期について問診します。
抗リン脂質抗体症候群では、しばしば、後期に流産が起こります。
後期に流産が起こった経験があれば、抗リン脂質抗体症候群による流産の可能性も視野に入れます。
抗リン脂質抗体症候群の検査としては、血液の凝固検査を行います。
血栓形成の予防
治療の最初のステップです。少量のアスピリンを服用します。
血栓を溶かす
少量のアスピリンで完全に防ぎきれなかった小さい血栓に対しては、これらの血栓を溶かす、ヘパリンという薬剤を用います。
以前は、ヘパリンは服用ではなく、点滴が必要でした。つまり、妊娠の全期間をほとんど入院して過ごさなくてはなりませんでした。そのため、家庭生活も社会生活もできなくなってしまっていました。
しかし、最近、皮下注射用のヘパリンが開発されました。
妊娠初期にヘパリン点滴療法のために入院した患者さんは、入院と同時に、皮下用注射器でヘパリンの自己注射の練習をします。自己注射できるようになれば、家庭生活や社会生活への復帰が可能になります。
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